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The Shining
ジャンル: マスマーケット Dewey Decimal Number: 813.54 ISBN: 0743424425 レーベル: Pocket Books (Mm) メーカー: Pocket Books (Mm) ページ数: 704 発売日: 2001-09-01 出版社: Pocket Books (Mm) スタジオ: Pocket Books (Mm) この商品を買った人はこんな商品も買っています レビュー カスタマーレビュー まさにキング・オブ・ホラー! 映画「シャイニング」はとにかく怖かった。それもそのはず、スタンリー・キューブリックは、観客を怖がらす事にのみ焦点を当てたのである。 それに、スティーブン・キングは反発した。 彼の小説を読めば、それが理解できる。キューブリックの映画では、結末に何の希望もなかったが、小説では狂気に陥った父にも、残された母と息子にも、すべての人に希望が残されているのだから。後に、キングは自分でメガホンを取り、忠実にシャイニングを映像化した。 キングの小説には、常に希望が根底にあり、善と悪、そして人間の本質が恐ろしいほど、冷静に描きだされている。 そして、この小説はまさに、その代表的作品といえる。 この作品のラストは、キング作品の中でも突出して美しく、悲しいほど静謐である。 彼も見える人? 人が狂気に走る過程を、こんなにも緻密な描写で文章にする人がいるなんて。 私は、見える人です。 ときどき、この世に存在しないものが見えたりします。 そのときの描写、自分の気持ちが暗い方へをひきずられる感じ。 キングは、きっと見える人なんだろうと感じたりしました。 それくらいに、私が現実に感じることがこの本には書かれていました。 キングが酷評した映画「シャイニング」も、そのあとに原作通りに作られた「シャイニング」もみましたが、ぜひ、原作で楽しんでいただきたいです。 ページをめくるのが怖いのにページをめくってしまう作品 私事ですが、インフルエンザを患いまして病床で読んでいました。 以前にテレビドラマで前後編に分かれて放送されていて(悪評高い映画版とは別ですよ)、原作を読んでみたいと思いながらなかなか読む機会がなかったのでこれを機に読みました。 深い雪に閉ざされた山の中にそびえるシーズンオフの由緒あるリゾートホテルが舞台です。 ここに元教師の主人公が妻、不思議な直観力(この作品では「かがやき」と表現されます)を持つ幼い子供と一緒に一冬だけの管理人としてやってきます。 外界との接触を絶たれたこのホテルをほとんど自分たちの好きなように使っていいというのは一見、「大きな森の小さな家」のように暖炉を囲んで家族団欒楽しく・・・というイメージが湧きますが、キングの小説ではこれもまたホラーです。 先ずこの「由緒あるホテル」がこわい!長い歴史を通して建物自体が息づいています。エレベーターや帳簿の山などの目に見えるものだけでなく、何か別のモノも存在しているのです。 そしてホテルにやってきた一家が少しずつ崩壊していく過程、これもこわい!アルコール依存症の過去を持つ主人公が正気を失っていく様子、「かがやき」を持つ子供が体験する恐怖、2人を見守る妻の精神状態。 派手さはない、じんわりとした恐怖の描写についついページをめくってしまいました。 腰を落ち着けて、誰にも邪魔されずに読みたい作品です。 そういった意味で病床で読めたことは幸せだったかもしれません。 下巻も、上巻を超える面白さです。というよりも最初から最後までページの飛ばし読みなんてしなくていい贅沢な作品でした。 映画よりも、小説の方がはるかにいい Stephen King の小説と映画について全般的に言えることではないかと思いますが、この "The Shining" も、映画よりはるかに小説の方がいい。第一、Stephen King の小説のプロットのみならず、彼の文体そのものが怖いのだ。文体が怖いというか、彼の選ぶ言葉のリズムが怖いというべきか。ともかく、別に怖いシーンを描いているわけでもないのに、言葉の流れが醸し出すリズムというか雰囲気が怖いのだ。このような文体の怖さは、おそらくは、訳者が原作者と同じくらいの文章力と creativity とを持っているのでない限り、日本語では訳せないのではないかと思う。文体そのものの怖さとしては、Carrie も怖かった。 最高傑作の誉れ高い作品だが S.キングは現在の"ホラー小説"というジャンルを一人で創ってしまった人で、後進の同業者に多大の貢献をした。私は元々本格志向なので、ホラー小説の類はあまり読まないのだが、さすがにS.キングのものはある程度目を通していた。本作は映画(鬼才キューブリックにしては、J.ニコルソンの怪演が目立つだけの凡作)も観た。本作は国内外で評価が高く、作者の最高傑作という人も多い。 作者の出世作「キャリー」も映画では観ているが、後の作品同様、宗教に関する知識がないと真の理解は難しい気がした(作者はキャリーの初潮の様子をどうやって書いて良いのか分からず、奥さんに尋ねたというのは有名な話)。 本作は売れない作家が執筆に専念するため、冬の間閉鎖されるホテルの管理人として妻と息子と一緒に住み込むところから始まる。題名の「シャイニング」は近未来を予知する能力のことで、息子はこの能力を持つ。しかし、そのホテルは昔惨劇があったらしい呪いのホテルで、作家は次第にホテルの魔力に取り憑かれ、狂気の世界に引きずり込まれる。 そして、妻と息子の命を奪おうとするのだが...。 こうして書くとゴシック・ホラーの域を一歩も出ていないことが分かる。最後で少し捻りがあるのだが、どうということもない。本作を「ゴシック・ホラー」を現代風にアレンジした傑作という人がいる(多い)が、私はそれに与しない。確かにS.キングの筆力はたいしたもので、読者を引っ張る力は凄いし、「書けない作家」というのは作者自身にも身につまされる(読者にとっては面白い)話題であろう。だが、それだけなのである。 もう一つの不満は、何故息子が「シャイニング」の力を持っている必要性があったかという点だ。私は呪いのホテルに対抗して、息子の能力が増大し、逆にホテルを崩壊させるというような展開を期待していた(「ドラゴンボール」のようだが)。「シャイング」に関わるエピソードは最後に申し訳程度に出てくるだけで、存在理由が不可解である。 ゴシックの様式美と、書けない作家の狂気とが交錯し損ねた作品。 |